高血圧による病気のリスク

高血圧症の有病者は日本の3人に1人の割合だとされ、日本の国民病として位置づけられています。また高血圧症は放置しておくと様々な病気のリスクを高める恐ろしい病気です。正しい治療方法を学び健康な体をつくりましょう。

高血圧症に悩まされる男性

高血圧から引き起こされる病気の種類

テノーミン
▲狭心症や不整脈にも効果のある高血圧治療薬です

高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれていて、その名前の通りに静かに病状が進行していきます。自覚症状がないことが多いため、健康診断などである日突然「高血圧です」という結果を見て驚いてしまう人も少なくありません。高血圧がサイレントキラーと呼ばれるのは、静かに病状が進行した結果、命にかかわる大きな病気を引き起こすきっかけになってしまうことからきています。高血圧は血管にかかる負担が大きくなってしまう病気です。心臓がポンプとして押し出した血液を通して全身に巡らせるのが血管の中でも、動脈の仕事です。塩分過多により血液の量が増えてしまうと、心臓はその血液を押し出すために必死に動きます。多くの血液が巡るようになれば、血管は血液が送り出される衝撃に耐えるために厚くなってしまうのですが、血管は内側を厚くしていきます。そうすると血管が厚くなった分だけ内部が細くなるため、一度に多くの量を血液を運ぶことができなくなってしまい、血液を押し出すポンプである心臓にさらに負担がかかる、という悪循環に陥ってしまいます。特に血管が厚くなり、内側が細くなることで動脈硬化が起こってしまいます。動脈硬化は心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳梗塞や脳卒中、脳動脈瘤などの脳疾患を引き起こす大きな原因となってしまうのです。高血圧という一つの病気だけで、これだけの多くの命にかかわる病気を引き起こす危険性があるのです。「たかが高血圧だ。自覚症状もないし、放っておいても大丈夫」という軽い気持ちでいると、取り返しのつかないことになってしまう可能性もあります。健康診断などで高血圧だと診断されたら、病院に行って治療を開始するようにしましょう。

高血圧の治療方法と生活習慣の見直し

高血圧の治療方法は、その発症の程度と糖尿病や腎症と言った合併症の発症リスクなどに応じて、段階的に行われます。高血圧の治療と言うと、降圧剤を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし降圧剤は、その薬効がある間だけ血圧が安定するものです。降圧剤を飲んだからと言って、ずっと血圧が安定するわけではありませんから、血圧を安定させるためにはずっと降圧剤を飲み続ける必要があります。ですから降圧剤の処方は高血圧の程度がある程度、進行している場合のみ行われることがほとんどですし、仮に降圧剤が処方されたとしても、重きが置かれる治療方法は生活習慣の見直しです。そして高血圧が初期の段階である場合には、生活習慣の見直しのみで治療が進められていくことも珍しくはありません。生活習慣の見直しで重視されるのは以下のポイントです。まずは塩分を控えることで、これは1日6g未満に抑えることが推奨されています。ティースプーン1杯程度の量なので、最初はあまりの少なさに驚かれるかもれません。しかし食事から摂取する塩分量を減らすだけで、じょじょに血圧の数値が下がっていく、または安定していくことは実証されています。それから禁煙とアルコール摂取量の制限です。これはどちらも、血管に対してダメージ与えることであるためです。そして心臓疾患がない人に対しては、有酸素運動を毎日30分以上行うことも求められます。運動習慣を持つことで血管の柔軟性を保つことができ、高血圧の改善に働きかけると言うことです。また肥満は高血圧の発症に大きく関係していますから適正体重の維持、及び脂質の異常を防ぐために野菜や果物をたくさん摂取することも求められます。これらは、とりたてて特別なことではないのですが、一度、高血圧を発症してしまった以上、これらの見直しを継続して行う必要があります。

高血圧の治療薬と効果について

高血圧の治療薬としては、降圧剤と呼ばれる血圧を下げる薬が有効的です。この降圧剤は基本的には4つに分けることができます。血管を広げる「カルシウム拮抗剤」、おしっこを出しやすくることで血圧を下げる「利尿剤」、血圧を上げる酵素を破壊する「アンジオテンシン酵素阻害薬」、心臓のポンプに作用して血管への負担を軽減する「β―阻害剤」です。この中でいちばんよく使われているのが「カルシウム拮抗剤」です。効果もよくありますが、これがだめであれば他の降圧剤を併用することもあります。最近では2種類の降圧剤を合体した「配合剤」とよばる新薬が登場しています。2種類が合体することで、飲み忘れの防止や、経済的負担も小さくなりますので、患者さんにとっては大きなメリットになっています。年齢を重ねるごとに、血圧は上がりやすくなりますので、日ごろの血圧チェックが大切になります。もし血圧が心配であるようなら、医療機関をお勧めします。薬が必要であるかないかは医師が最終的に判断します。日本人は塩分の摂りすぎの習慣があるため、昔から高血圧症の割合が高いです。日ごろから塩分の多量摂取を控え、カリウム分を多く含む野菜をよく食べるように心がけましょう。またウォーキングなどの適度な運動をすることも大切です。このようなことを日ごろから取組んでおれば高血圧症を防ぐことができます。降圧剤を飲み始めると、ずっと続けなければなりません。そのために未然に防ぐようにしましょう。食事や運動のほかにもストレスをためすぎないことも重要です。毎日血圧をチェックして、血圧も変動を記録しておくこともいいです。記録することでいつごろから血圧が上ってきたことなど、把握できるからです。